伊能忠敬になりたい

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【御朱印】東北周遊旅(岩手_平泉)編(2日目中編)

今年の1月の東北周遊旅で参拝した神社仏閣・訪問した観光スポット・食したグルメについて複数記事に渡って書いていきたいと思います。今回は周遊旅2日目に参拝した平泉の寺院について書いていこうと思います。

 

目次

・概要

・旅記録

・総括

 

 

【概要】

中尊寺

  山号:関山

  参拝日:2020年1月19日

  寺格:天台宗東北大本山

  所在:岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関

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中尊寺 金色堂

 

中尊寺は第3代天台座主の円仁により850年に建てられた寺院だとして伝わっています。その後、奥州藤原氏の庇護を受けていくことになります。初代藤原清衡により前九年・後三年の役の戦没者を追悼のために中尊寺で大々的な造立を行っていきます。有名な金色堂も清衡の代に極楽浄土を表現しようとして建てられました。その後も中尊寺をはじめとする平泉の寺院群は奥州藤原氏とともに栄華を極めますが、やがて源頼朝に奥州藤原氏が滅ぼされると後ろ盾を失い、荒廃していきました。しばらく苦境が続きますが、仙台藩による保護を受けるようになってから再び整備されていくことになります。2011年に世界文化遺産の登録され、多くの観光客を集める観光スポットになりました。

 

毛越寺

  山号:医王山

  参拝日:2020年1月19日

  寺格:天台宗別格本山

  所在:岩手県西磐井郡平泉町字大沢

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毛越寺 本堂

 

毛越寺も先述の円仁により中尊寺建立の同年に開かれました。開山後しばらくして荒廃したそうですが、奥州藤原氏の二代基衡と三代秀衡によって手厚く保護され多くの伽藍が造営され隆盛を極めました。奥州藤原氏の滅亡後、度重なる火災、戦火に見舞われ荒廃しますが、中尊寺と同様に仙台藩に保護されてきて現代まで存続しました。建立当時の建物はすべて焼失していますが、庭園と伽藍遺構については当時のまま保存されており歴史的価値を認識されていて国の特別史跡・特別名勝として指定されています。毛越寺も2011年に世界遺産に登録されています。

 

高館義経堂(毛越寺)

  参拝日:2020年1月19日

  所在:岩手県西磐井郡平泉町高館

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高館義経堂

 

高館義経堂は衣川舘とも呼ばれ、源頼朝と対立し、縁のある平泉に逃れてきた源義経の居館かつ終焉の地として伝えられています。松尾芭蕉が「夏草や 兵共が 夢の跡」という有名な俳句を詠んだ場所としても伝わっています。ここは北上川の近くにある建物ですが、離れた毛越寺の境内となっているとのことです。

 

 

【旅記録】

前記事で陸中國一宮の駒形神社を参拝しました(↓記事参照)。

水沢駅を後にし東北本線に10分ちょっと乗車します。

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平泉駅

 

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平泉駅前

 

目的地の平泉駅に着きました。やはり歴史的観光スポットの駅ということで駅舎も和風テイストの凝った仕様になってます。駅前のモニュメントも同様に和風でした。この平泉では名所の中尊寺と毛越寺に行こうと思っていましたが歩きで行くには地味に遠い…どうしようかと思っていたらちょうど良く駅前にレンタサイクルがあったので利用しました。まず、中尊寺方面に向かいます。

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弁慶の墓

 

中尊寺近くの道路沿いに立派な松が生えていてその傍らに「武蔵坊辨慶之墓」と書いてある石碑があります。弁慶は大柄の男という勝手な印象があったので、この石碑の力強さにぴったり合うなと思ってました。レンタサイクルで来る場合、この付近に中尊寺の駐輪場があります。入り口近くの駐車場には自転車を止める場所は無いのでご注意ください。

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中尊寺 境内入り口

 

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中尊寺 参道

 

自転車を降りて、弁慶の墓から少しだけ移動すると中尊寺の入口が見えてきます。いざ境内へ。参道は長い上り坂になっていました。意外と長い距離上らされたので運動不足には少し厳しい坂でしたね。

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中尊寺 参道2

 

長い坂を上り終えると一旦平坦な道になります。写真では人は少ないように見えますが、世界遺産だけあって多くの観光客が訪れていました。ただ、外国人観光客は東京や京都と比べるとだいぶ比率は少なかったですね。

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中尊寺 参道からの景色1

 

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中尊寺 参道からの景色2

 

参道を歩いていると右手側は木々が少なくなって開けている部分がありました。のどかな風景が広がっていて見ていてリラックスできます。こんな光景をかつて源義経も見たのでしょうか(当然道路や家屋はなかったでしょうが)。

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弁慶堂

 

開けている参道の右側に対し、左側にはお堂があります。弁慶堂といって義経や弁慶の木像を安置しているお堂です。

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中尊寺 観音堂

 

参道さらに歩いていくと複数の建物が建ち並んでいます。↑はその中の一つ観音堂です。

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中尊寺 本坊表門

 

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中尊寺 本堂

 

さらに奥に行くと一際立派な門があります。本坊表門と言って岩手県の文化財に指定されています。その門を入ると大きな本堂が目の前に現れます。中尊寺の中心的な役割を果てしていて多くの儀式はここで執り行われているそうです。現在の本堂は室町時代初期に起きた火災で焼失した建物を1909年に復元したものだそうです。こちらの本尊は釈迦如来坐像が安置されていてその脇にある灯篭には比叡山延暦寺から分けられた不滅の法灯が灯されているそうです。ちなみにこの記事を書いている2020年は天台宗の開祖最澄の遷化1200年ということで不滅の法灯の分灯式が行われ、延暦寺から全国の天台宗の寺院に分灯が行脚する予定のようです。こちらでお参りをした後、横の建物で御朱印をもらいました。

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中尊寺 本堂前の池

 

池の水面はところどころ凍りついていました。

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中尊寺 本堂近くの鐘

 

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中尊寺 不動堂1

 

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中尊寺 不動堂2

 

本堂の近くにある建物。祈祷を行うためのお堂で、本尊の不動明王から名前が付けられています。さらに参道が続いていたので奥に向かって移動します。

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中尊寺 旧鐘楼

 

参道の途中にはこじんまりとした木造の建物がありました。中には1343年に鋳造された鐘があります。今は打たれることはなくなりましたが、銘文に鋳造された当時の様子を記していることから歴史的な価値の高い遺物として保存されているそうです。

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中尊寺 弁財天堂

 

さらに右側奥には弁財天堂があります。1716年に建てられたものらしいです。

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中尊寺 金色堂外観1

 

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中尊寺 金色堂外観2

 

弁財天堂の道を挟んで反対側には平安時代、奥州藤原氏が栄華を誇ったことを示す歴史的遺産としてよく教科書でも紹介されている金色堂があります。私ももこの金色堂の外観の写真を見たことがあったので、実物を見ることができて気分が高まりました。堂内はまさに教科書で見た光景が広がっています。堂内は音声が流れており、金色堂の概要について説明してくれているので理解を深めることができます。極楽浄土を模した金色堂をじっくりと堪能した後は堂内にある授与所で金色堂の御朱印をもらいました。金色堂を見て先に進みます(※ちなみに堂内は撮影禁止になっています)。

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中尊寺経蔵

 

経典や書物、仏像等が納められていた経蔵です。今では重要文化財や国宝に指定されるようなものもこの建物中に安置されていました。

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中尊寺松尾芭蕉像

 

松尾芭蕉は奥の細道で中尊寺を参拝しています。「五月雨の降り残してや光堂」という句を詠んでいます。

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中尊寺旧覆堂

 

かつて風雪を避けるため、金色堂を覆っていた建物です。昭和に行われた金色堂の大修理に伴って、覆堂は金色堂から離れた場所に移されることになったそうです。

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中尊寺本堂御朱印

 

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中尊寺金色堂御朱印

 

今回の参拝では本堂と金色堂の御朱印をいただきました。調べてみると中尊寺では10種類以上の御朱印をいただけるそうです。全てをいただきたい場合は予め、授与所の場所を把握しておいた方が良いでしょう。ちなみに金色堂で購入した御朱印帳には見開きの御朱印をいただくこともできるそうです。

一通り見て回ったので中尊寺を後にします。境内を出て毛越寺について調べていると平泉にもう一つ高館義経堂という名所があるということを知り、地図を見ると割と近い。よって先に高館義経堂を訪れることにしました。

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高館からの眺め1

 

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高館からの眺め2

 

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高館展望案内図

 

中尊寺から自転車で10分弱移動した高台に源義経が最期を迎えた判官館があった場所として伝わる高館義経堂があります。この場所は毛越寺の飛び地境内となっているので、御朱印もいただけます。御朱印帳を預け、拝観料200円を払い中へ。非常に美しい景色が広がっています。ここは穴場スポットなのか中尊寺に比べてほとんど人はいません。

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高館義経堂1

 

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高館義経堂2

 

石段がありその上には源義経像が安置されている義経堂があります。仙台藩主伊達綱村により建てられたそうです。こじんまりとした建物でした。参拝をしてさらに高館をぶらり。

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松尾芭蕉の俳句の石碑

 

松尾芭蕉の俳句に関する石碑が立っています。この高館を芭蕉が訪れて詠んだ句が有名な「夏草や兵どもが夢の跡」です。奥州藤原氏や義経のことを偲んで詠んだ句のようです。

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高館義経堂 御朱印

 

高館を一通り見終えて出口に戻り、預けていた御朱印帳を受け取りました。

そして平泉における最後の目的地毛越寺へ向かいました。

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毛越寺への道中

 

一度駅の方へ向かい、駅前の十字路を右折(駅から見ると直進)していきます。

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毛越寺 山門

 

毛越寺に着きました。山門前の駐輪スペースに自転車を停め、拝観料(500円)を払い中へ入ります。

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毛越寺 本堂

 

山門の正面には立派な本堂が見えてきます。建立されたのは平成元年ということで新しい建物です。ここで参拝を行なった後、境内を歩いて回りました。

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毛越寺 伽藍復原図

 

伽藍が残っていたころの毛越寺の様子を表した看板がありました。かなり規模が大きな寺院だったことがわかります。

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毛越寺庭園 大泉が池1

 

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毛越寺庭園 大泉が池2

 

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毛越寺庭園 大泉が池3

 

境内を歩いていると有名な毛越寺の庭園が見えてきます。特別名勝に指定されるだけあって大規模ですね。庭園にある池(大泉が池)の表面の大部分は凍てついていました。庭園に設けられた歩道を歩いていきます。

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毛越寺 開山堂

 

毛越寺を開山したと伝わる3代目天台座主円仁を祀っているお堂です。そういえば平泉に来てからほとんど雪を見てませんでしたが、ここにはわずかに残雪が見られました。

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毛越寺境内の史跡1

 

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毛越寺境内の史跡2

 

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毛越寺境内の史跡3

 

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毛越寺境内の史跡4

 

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毛越寺境内の史跡5

 

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毛越寺境内の史跡6

 

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毛越寺境内の史跡7

 

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毛越寺境内の史跡8

 

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毛越寺境内の史跡9

 

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毛越寺境内の史跡10

 

毛越寺庭園内には往時の建物の史跡が並んでいます。歩道の脇には案内札が立っていてその位置に何が建てられていたか詳しく書かれてました。案内札以上の説明はできないのでここは省略していきます。

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毛越寺庭園 大泉が池4

 

庭園を大体回り終えた時に見た光景です。私はこの角度が好きですね。季節によって見え方が様変わりするのだろうなと思いながら眺めていました。別のシーズンにも来てみたいですね。

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毛越寺 御朱印

 

庭園を一周して山門近くの授与所に戻ってきます。授与所にて御朱印をいただき毛越寺を後にすることに。自転車で駅へ向かいます。

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平泉駅前の郵便ポスト

 

平泉駅に戻ってきたので自転車を返却します。この駅に来たときは気が付かなかったのですが、郵便ポストが特殊ですね。金銅華鬘という中尊寺にある国宝をモチーフにしたものになっているそうですね。弘前はリンゴポストでしたし、東北はこうしたご当地のポストが多いのでしょうか(あまり関東では見かけないですね)。

電車で南下し一ノ関駅へ向かいたかったのですが、次の電車までずいぶんと時間があいてしまいます。この日のうちに宮城県で行きたいところが一つあったので、先を急いでおりちょうど良い時間にあった駅前のバスに乗ることにしました。平泉とはお別れです。

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一ノ関駅

 

バスに乗って一ノ関駅に着きました。乗車するつもりの新幹線が来るまでに少し時間があったので、駅弁を購入し、駅をぶらぶらしました。

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一ノ関駅構内 展示1

 

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一ノ関駅構内 展示2

 

駅の展示は国際リニアコライダーなる展示物がいくつも並んでいました。後で調べてみると国際リニアコライダーは宇宙の始まり、「ビッグバン」の1兆分の1秒後の宇宙の様子を再現することができる直線型の衝突加速器のことだそうです。この装置を使うことで宇宙がどのように誕生し、物質がどのように生じたのか、その謎の解明に近づくことが期待されています。どうやら国際リニアコライダーを誘致しようとしているため駅に展示があったとのことのようです。費用は莫大なものになるかもしれませんが、ぜひとも誘致に成功してもらいたいです。そうこうしているうちに新幹線がやってきたので乗車。宮城県に向かいます。

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駅弁 平泉うにごはん(1200円)

 

車中では一ノ関駅で購入した駅弁「平泉うにごはん」を食べました。うにがたんまりと入ったインパクトのある駅弁です。うに好きの方はぜひ食べてみて下さい(ボリュームはあまり多くないです)。仙台駅に着くまでに弁当を食べ終え、ゆったりと車内で休憩することができました。

 

 

【総括】

今回は岩手県が誇る世界遺産の街平泉を紹介しました。ずっと来てみたいと思っていた街だったので実際に訪れることができ非常に嬉しかったですね。今回訪れた毛越寺は立派な庭園があり、高館義経堂は源義経終焉の地という歴史的意義と美しい景色があり観ることができて良かったと思います。そして中尊寺、知名度に違わない規模の大きな寺院でした。特に金色堂は単純にきれいだというだけでなくて、栄華を誇った奥州藤原氏の当時の力も感じることができ歴史好きとしては欠かせない遺産だなと感じ入りました。平泉は歴史好きな方、特に義経に縁の深い場所ですので、義経が好きな方にはぜひとも訪れてもらいたい街です。

 

以上が”【御朱印】東北周遊旅(岩手_平泉)編(2日目中編)”でした。

拙い上に長文になりましたがご覧いただきありがとうございました。書いた内容が間違っている部分があればコメントでご指摘いただければと思います。

次回は宮城県の一宮巡りと仙台グルメについて紹介していきたいと思います。